成績のいい人が必ずやっていること― 授業後「仕分け」をすると、なぜ成績が上がるのか ―

学習の成果は、次の3つのステップの質で決まります。

1. 理解する（インプット）
2. 覚える・使う（定着）
3. 修正する（改善）

授業後の「仕分け」は、この3つすべてを“自動的に”良くする仕組みになっているのです。
順に見ていきましょう。

① 「仕分け」は“理解の穴”を見える化する

人は、自分の理解を過大評価しがちです。
心理学ではこれを「メタ認知のずれ」と呼びます（※1）。

授業のあとに「何がわかった？何がわからなかった？」と整理すると、
自分では気づかなかった理解の抜け（＝穴）を発見できます。

結果：
→ 苦手を放置せず、早い段階で修正できる。
→ 「復習しても効果が出ない」状態を防げる。

（出典：日本教育心理学会「学習方略とメタ認知の関係研究」）

② 「仕分け」は“忘れにくい記憶”を作る

人の記憶は、時間とともに急速に薄れます（エビングハウスの忘却曲線、※2）。
ところが、「仕分け」をすると**思い出す行為（再生）**が起こります。

この“思い出す”という動作こそ、最も記憶を強くする行為だと知られています。
東京大学の研究（※3）でも、「自分の言葉で思い出す練習をした学生」は、
単なる読み返しだけの学生に比べて、定期テストの得点が平均15％高かったという結果が出ています。

結果：
→ 「仕分け」は自然に“再生練習”になり、記憶が強化される。

③ 「仕分け」は“効率のよい勉強計画”を生む

勉強時間が同じでも、どこに力を入れるかで効果は大きく変わります。
「わかった部分」「わからなかった部分」を明確に分けておくと、
次の勉強時間で**“やるべきことの優先順位”**がはっきりします。

つまり、闇雲に復習するのではなく、必要なところだけに時間を使える。
その結果、同じ時間でも学習効率が大幅に上がります。

結果：
→ 「努力の配分」が最適化される。
→ 限られた時間でも成績が伸びやすい。

（出典：文部科学省「主体的な学びと学習計画に関する調査」）

授業後の5分間で、「わかった」「わからない」を仕分けるだけ。
これだけで、以下の3つが一度に改善します。

つまり、「仕分け」は成績を上げるための最小単位の習慣なのです。
毎日の授業後に5分、この仕分けを続けることで、
復習が自然に効率化し、「覚える・できる・忘れない」のサイクルが回り始めます。

ウェルズの家庭教師は、学生一人ひとりの「仕分け」をもとに、
苦手分析→復習設計→理解チェックの流れを一緒に設計します。

• 授業後に仕分けを行うシートを活用
• 苦手部分を数値化して学習計画に反映
• 解決後の理解を確認して再仕分け

このように、仕分けを“学びの習慣”として根づかせることで、
成績向上とGPA維持の両立を実現します。

• （※1）日本教育心理学会「学習方略とメタ認知の関係」
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/69/2/69_131/_pdf/-char/ja
• （※2）日本心理学会「記憶保持における忘却曲線と復習効果の再検討」
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpa/84/1/84_37/_pdf/-char/ja
• （※3）東京大学 教育学研究科「再生練習による学習効果の実証研究」
  https://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/record/51093/files/edu_2021_04.pdf
• 文部科学省「主体的・対話的で深い学びに関する報告書」
  https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/150/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1388471_01.pdf